30歳を過ぎてから、米国に留学したので、発音にはとても苦労した。英語の勉強とは、リスニングに関しては、学問というよりは肉体的なトレーニングであるからである。脳が柔かいうちは、簡単に理解できることでも、年をとると物理的に適応できなくなるのだと思う。(そういう論文は数多くある)
なんというか、年をとってから、右利きを左利きに改造するようなものだと思う。
それでも何とかなるのは、話すほうは訓練でいくらでも話せるようになるからである。
聞くという受け身の練習は、難しいのである。
- <コーヒー>
日本語ではコーヒーであるが、英語では、カーフェのほうが正しい。少なくとも「コ」ではない。「カ」である。口の動かし方として、「カ」と「コ」では全く違う。「カ」は口を広げるのに対して、「コ」は口をすぼめる感じである。
カリフォルには、日本人を含めアジア人がたくさんいるので、適当にしゃべっていても、それほど問題はない。彼らも慣れているので何とかなるのだ。それはフロリダのマクドナルドで起きた。て人は若い黒人の女性だった。私は何度も「コーヒー」と連呼したが、まったく通じない。彼女は悪気は全くなく、真剣に私のいっていることを聞き取ろうとしていた。あげくに「クッキー?」と聞いてきたので、あきらめて「アイスティー」を頼んだのを思い出す。なんかとても自信がなくなったのを思い出す。このころは、発音と口の動かし方の意味を全く理解していなかったのだ。
とにかく、「カーフィー」といえば伝わるのである。口の動かし方がポイントで、「コ」だと口をすぼめる感じだけど、「カ」は口をひろげるわけである。音よりもそっちのほうが大事なのだと思う。
- <トリプル>
トリプルというのは、ほぼ日本語になっている。私が子供の時に、「トリプルファイター」という戦隊ものがあったので、幼稚園児の時に私はトリプルの意味をしっていた。(余談)
でも、これは英語の発音はまったく違うのだ。

トリプルは、「チューリプル」という感じで、むしろチューリップのほうが近いと思う。まだ、当時はインターネットの黎明期で、まだまだ電話がコミュニケーションの主体だった。ホテルの予約も電話でするの普通だった。私は、当時日本のJAFにあたる米国自動車教会AAAの会員だったので、そこのメンバーだというと、10%オフになるので、電話口で何度も「トリプルエー」といったが伝わらず、最後に「エーエーエー」といったら、「オー、チョリプルエー アイシー」といわれたのを思い出す。なんかこういう記憶は鮮明なのだ。よく覚えている。ちなみに、この時はグランドキャニオンのそばにある 「MOTEL8」というチェーンホテルだったと思う。

何がいいたいのかというと、日本語になっている英語をそのまま米国で使うと、
痛い目に会うことがあるということです。
まあ、でも悪いひとってそんなにいないから、たいていなんとかなるもんです。
23歳のとき、はじめた米国に行き、ニューヨークのクラブにいき、「バドワイザープリーズ」といったら、
キリンビールが出てきた。相手は刺青だらけの大男で、そのままキリンビールを飲んだのを思い出す。
あれは、完全になめられていたと思う。