
ローレンスフランクという名前を知っている日本人は少数である。
令和元年は、NBAロスアンゼルスクリッパーズのGMであり、
数年前まではNBAニュージャージーネッツのヘッドコーチだった人だ。
ちなみに、バスケのヘッドコーチは野球であれば監督のことである。(ややこしい)
彼のどこがすごいのかというと、
プロ選手としての経験が0なのである。
日本のプロ野球というか、あらゆるプロスポーツ競技で、プロの経験のない人が監督をやっているケースは
ないだろう。
少なくともプロ野球では0である。
ローレンスフランクは、大学を卒業すると、コーチとしての道をいきなり歩みはじめたのである。
大学のアシスタントコーチからスタートし、
NBAチームのアシスタントコーチになり、実績をあげ、ついにニュージャージネッツのヘッドコーチになっ
たのだ。ルーキーヘッドコーチの連勝記録を樹立するなど、一流といってもいいキャリアをスタートさせた
のである。
2019年現在は、来季優勝候補筆頭のロスアンゼルスクリッパーズの球団社長として活躍している。
本当にすごいキャリアである。
ローレンスフランクもすごいが、アメリカという国もすごいと思う。
実力があれば、キャリアは問わないのだ。
日本では想像もできないことである。読売巨人軍の監督を、高校野球の監督経験者がやるような
感じである。そういうアイデアが俎上にあがったことすらないだろう。
考えてみるとわかるのであるが、指導者としての能力と、選手としての能力が同じわけがある
わけがないのだ。
少年野球にかかわっていたことがあるので経験値でいうと、いい指導者は必ずしも野球経験者
でないことが多い。彼らは細かい技術的なことは分からなくても、大きな視点で
チームをまとめることに力量があれば、とても優秀な指導者になることがよくあるのだ。
当たり前といえば当たり前であるが、日本においては常識ではないのである。
ローレンスフランクは、背も低いので、選手として活躍するよりも、
最初から指導者としての道を指向したのである。
それはとても素晴らしい視点である。
そして結果を出したのだ。
道なき道を自分でつくり出したパイオニアなのである。
私が尊敬する人物のひとりである。