狼少女の話は嘘だった(知ってました?)

ためになる話


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小学生のころ、学校の図書館に狼少女の本があったので読んだ。
実際にはこれと同じものではなく、漫画であった。
「狼少女カマラとアマラの物語」というもので、
赤ちゃんの時に二人姉妹は狼に連れ去られ、狼の母親に育てられてた。
大きくなった時に、森で発見された二人は、まさに狼であり、
言葉をしゃべることもできず、生きた鶏を殺して食う、まさに野獣であった。
その後、まわりの人の献身的なサポートにより、
ふたりは少しづつ人間の心を取り戻したが、
20歳になるまでに二人とも死んでしまった。
という話である。
無論、私はこの話を信じていた。誰も疑う人はいなかったと思う。
最近になって、気になって調べてみたら、出てくる出てくる。
この狼少女の話はすべて作り話であるという。
様々な文献がでているが、要約するとこうである。
二人の姉妹は何らかの精神障害があった。インドという国はカースト制の国であり、
様々な差別があるため、親はその障害のある子どもを隔離して育てていた。
ところが、ある程度大きくなるにつれ、隠し通すことができずに、
近所の人に見つかった時に、
「赤ちゃんの時に狼にさらわれた娘が帰ってきた。狼に育てられていたので、人間の言葉もはなせない」
という言い訳をいったところ、それが信じられてしまったという話である。
いわば座敷牢のような場所で、食事だけ与えられて、育ったのだろう。
だとすれば、合点がいく。だれだって、そんな環境で育てられれば、
まともでも、おかしくなって当たり前である。
それは都市伝説として世界中に広まったのだという。
至極、納得できる話である。
手塚治虫の作品に、奇子(あやこ)という傑作がある。

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昔の農家は封建主義で、父親が全権を握っていた。すでに結婚している長男の嫁に
目をつけた父親は息子に、「お前の嫁を差し出してくれれば、全財産をお前にやる。いやなら勘当だ」
と脅しをかけて、長男の嫁と関係を持つ。生まれた子どもが奇子である。
奇子は戸籍上は長男の娘であるが、実際には長男の異母兄弟である。しかも、
母親は自分の嫁である。
その奇子が、ある秘密をしったために、池に落ちて死んだことにされ、
座敷牢に閉じ込められるのである。そして、十数年間、座敷牢で暮らすという話である。
狼少女はこの話と同じである。
もしかしたら、手塚治虫は当時からすでに狼少女の真実を知っていて、それをモチーフにして
描いたのかもしれない。手塚治虫は医師でもあるから、
精神医学に関する知識も豊富だったはずである。
物語にしても、実際にいたとしても、本当にかわいそうな話である。
すべての子どもが幸せに暮らせる日が来ることを心から願っている。

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