
女たのきん、と言われ(誰も言ってないし、知らない)た三人組である。
三人組といっても、キャンディーズのように三人で歌うわけではなくて、
それぞれがシングルを歌い、番組などで共演するのである。
ジャニーズ事務所の黎明期に活躍した
「たのきん」こと、田原俊彦、野村義男、近藤真彦は、
当時ナンバーワンアイドルだった。
田原俊彦と近藤真彦は、たしかに「アイドルだな」と思うルックスだったが、
野村義男には全く納得できなかった。
当時の週刊明星という青春雑誌に、「夏だ、エレキだ、よっちゃんだ」というグラビア特集が
乗っていて、なんか頭にきたことを思い出す。
よっちゃんは、ギターはうまいかもしれないが、ルックスはかなり個性的だったと思う。
この三人の頭文字をとって、た:田原、の:野村、きん:近藤、で「たのきん」なのだ。
「女たのきん」、パンジーは、便乗商法だったのである。
「女たのきん」というなら、せめて三人の苗字でユニット名をつくればいいのに、
なぜか、「パンジー」なのである。
こういうところは、しっかりやってもらいたいものである。
北原、三井、真鍋の三人だから、「きたさんま」とかの名前にしたら、東北地方の
漁業組合PRのゆるキャラのネーミングみたいになるので、やめたのかもしれない。
それならば、最初にユニット名を考えて、それに合う芸名を考えればいいと思うが、
だんだん面倒くさくなったのだと思う。
前置きが長くなってしまったが、
パンジーは、北原佐和子、真鍋ちえみ、三井比佐子の3名で結成された。

最初にデビューしたのは
北原佐和子である。

彼女は比較的最近まで、水戸黄門などの時代劇で活躍するなど、三人のなかでは一番長く芸能界に
い続けたのであるが、デビュー曲はなかなかの名曲である。
「マイボーイフレンド」という歌なのであるが、そこそこヒットした。(CMソングにもなっていた)
でもお世辞にも歌がうまいとはいえず、何箇所かで音程が外れてしまうのだ。
私は、「おそらく三人のなかでは一番歌が下手なんだな」と思ったのである。
次に歌手デビューしたのは、真鍋ちえみである。

「ナイトトレイン美少女」という歌なのであるが、
YMOの細野晴臣がプロデュースしていて、テクノ調のかっこいい歌である。
歌はうまくないのであるが、アレンジが効きすぎていて、歌なのか伴奏なのか
わからないように工夫しているのだ。
真鍋ちえみは、歌は下手なのであるが、それさえも印象に残らない影の薄い存在である。
芸能界にしろ、なんであれ、爪痕を残すということは本当に重要である。
下手なら下手ということで、印象に残ったほうが、価値があるのだ。
無難にこなすことが、いかに意味のないことなのかを、彼女は教えてくれる。
そして、オオトリ、三井比佐子のデビューである。
タイトルは、「月曜日はシックシック」だ。

恋をしている女の子が彼氏に会いたくて週末にドキドキしていたら、
月曜日の朝に風邪をひいて
Sick(病気)になってしまって、シックシック泣いているという歌である。
シックが掛言葉になっているのだ。
それは、どうでもいいのであるが、彼女が
日本の歌謡史上、メジャーデビューを果たしたなかで、もっとも歌が下手な歌手であると、
自信をもっていえるその人なのである。
少なくともこの時点では。おそらく現在でも。https://www.youtube.com/watch?v=AX30tHOXCDE
女たのきん、パンジーは、実は歌がうまい順番にデビューしていたのだった。
もし世の中に歌手が彼女たち三人しか存在しなければ、北原佐和子がレコード大賞をとるだろう。
三井比佐子は、かわいらしさと、踊りで、できる限り気づかれないように努力しているが、
本当に歌が下手である。
彼女のレコードを聞いていると、アレンジャーが最大限の努力をして、修正しているのが
わかるが、これ以上アレンジすると、人間が発声する音ではなくってしまう限界ギリギリ
に設定しているのがわかる。それでも下手なのだから、どれだけのレベルなのだろう。
アイドルに歌唱力はいらない(持論)と思っているので、
問題ではないのであるが、それでも限界というものはあることを教えてくれた歌手である。
この三人には、実は主演映画がある。

「夏の秘密」という。私は劇場で見た。会場は日曜日だったが、三人くらいしかいなかった。
私の人生で、劇場で見た映画の中で、ワースト3は、
1位:フレディーゴットフィンガーズ→説明の余地がないほど、くだらないのではなく、つまらない映画である。ドリューバリモアは彼と結婚したのであるが、 男としては魅力的だったのかもしれないが、この映画は本当につまらない。金を返せといいたいが、 この映画を見る時は、他の映画を見た後に、そのままどさくさに紛れて入ってみてしまったので金を払っていない。 米国は日本と違って、映画館のセキュリティは超甘いのである。もし、人生で後悔をしたいのであれば、この映画をみる ことをお勧めする。

2位:フリンストン、ビバロックベガス→シリーズ第1作はジョングッドマン主演でかなり面白い。2に、グッドマンが主演しなかったのは、この脚本があまりにもつまらないので、自分のキャリアに傷がつくと思って出演しなかったのだろう。これは本当に駄作である。それなりに金をかけていて、これだけつまらない映画は他にない。

3位:夏の秘密
である。この映画に関して、語るつもりはない。語る必要も、内容もない。本当のことをいうと、ストーリーを覚えていない。ただ、つまらなかったという記憶だけである。ちなみに、この映画を見たのは小田原の映画館だった。当時我が家には箱根仙石原に別荘があって、箱根からバスで小田原までおりてきて、この映画を見たのだった。しかもこの映画館は、小田原の駅前ではなく、駅からバスで15分くらいのところにあった。