経営としては見事であるが、自分がオーナーならああはしない
マクドナルドのオペレーションは見事である。芸術的であるといっても過言ではない。
店舗の労働者が、1秒の無駄もなく、動くさまは、流れ作業でつくる
自動車工場を彷彿させる。
でも、動いているのは機械ではなく人間なのである。
普通の人間なら嫌がることを、嫌がらずにやらせるところが凄いのだ
日本マクドナルドの営業マニュアルを盗んえ真似をしても、同じようにできることはない。
人間は機械ではない。東京大学の学生が学んでいる教科書をもらっても、
東大と同じ授業ができないのと同じである。ノウハウの99%は、マニュアルではなく
人から人に、受け継がれているからである。
人間には様々なモチベーションがあり、それらを上手に管理するノウハウが
彼らにはあるのである。
一流大学を卒業した人から、現役の高校生や、主婦まで、ありとあらゆる
人を網羅した人間教育システムが彼らのすべてなのである。
チェーン店経営と、1店舗経営の違い
マクドナルドのように何千店もあるチェーン店を経営するのと、1店舗だけを
経営するのは全く考えかたが違うわけである。数年前に多くの店をリストラで
閉鎖した理由は、その店が出している営業利益ではなく、店舗を貸借している
店舗の更新料を見直すために行ったという。ゆえに、優良店舗と思われている
店も大量に閉鎖したのである。
大企業ゆえの悩みである。
多くの店舗オーナーは、売り上げがいいから、強気の賃貸料値上を要求するわけで、
そういう利権を排除するためだったのである。
労働者の時給が同じならば、できる限り働かせるほうが効率的
これは機械と同じ発想である。利益がたとえ1円でもあがるなら、やったほうがいいという
考えである。個人経営で自分が現場に出ていたら絶対にでてこない発想である。
ばからしいと感じるからである。
個人でたっていれば、できるだけ効果的に利益率の高いものを売りたくなるからである。
マクドナルドに合う人と、合わない人
これは間違いなく存在する。すべての人間は必ずどちらかに分類されるはずである。
知り合いにマクドナルドに勤務している人がいるとわかりやすい。
その人と仲が良ければ、あなたはマクドナルドに向いている人である可能性が高い。
私は大学生の時に、半年くらい働いて、「ここは俺には無理だ」と心から思ったのを
思い出す。いい悪いではない。私には向いていないと感じたのだ。