具志堅用高:素敵な人生、元ボクサーで最も幸せな人

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具志堅は、ボクサーとしても歴代トップクラスの偉人である

客観的にみて、具志堅用高は日本ボクシング史上最高のボクサーではない。でも、歴代トップ5には入ると思う偉大なボクサーである。通貨価値の差は時代によるが、ファイトマネーとしてボクシングの試合で稼いだ額は歴代最高かもしれない。具志堅の試合の視聴率の最高はハイメリオ戦で43.2パーセントである。とんでもない数字である。13回連続防衛記録はいまだに破られていない偉大な記録である。なんで歴代No.1ではないかというと、ジュニアフライ級というクラスが、当時の新設クラスであり、なおかつ当時の最軽量クラスだったからである。その問題を超越するほど、彼の試合内容が壮絶で面白かったから人気が爆発したのである。

彼の人生は順風満帆ではない。

輝かしい記録とは裏腹に、彼のボクサー人生は順風満帆だったわけではない。現役チャンピオン時代に、薬物オレンジ事件というのがあり週刊文春にスクープされたのである。具志堅本人は関与していない可能性が高いのであるが、所属ジムの会長が、なんとしても勝たせたい一心で、相手選手に毒物の入ったオレンジを食べさせて体調不良を起こさせて、フラフラにさせて試合に勝ったという疑惑があるのである。この事件は立件されることはなかったが、間違いなく彼の偉業に水を差すものになったのである。ボクサー時代の具志堅は数多くのテレビCM契約も持っており、とんでもないお金を稼いだわけであるが、その多くはジムの会長である金平正紀が搾取していたといわれている。ゆえに、最後の防衛戦で負けた具志堅が、再戦することもなく簡単に引退してしまったのは、そういう立場に嫌気がさしたからともいわれている。なんか、その気持ちはよく理解できる。事実としては、具志堅のおかげで、協栄ジムは大きなビルを購入したということである。

引退の時ある雑誌に乗っていたコラムの話「これからは茨の道」

26歳の若さで引退した時、ある雑誌のコラムにこういう記事が載っていた。「今までの君の人生は華やかなスポットライトにあたり、KO勝ちが当たりまえの人生であったが、引退してからはイバラの道であり、勝利があったとしても泥臭い判定勝ちしかない人生になるだろう」というような内容であった。私は当時中学生くらいであったが、「そんなものなのかなあ」と思ったものである。

そのコラムの予想は外れた

誰が予想しただろうか?ボクサーを引退した具志堅は、飲食店の経営や、ボクシングジムの経営を開始したのであるが、それよりもなによりも、タレントとしてその才能が開花したのである。最初のころはそうでもなかったが、素朴で誠実な人柄が世の中の人に伝わったのだと思う。元ボクサーに多い、気の荒さはかけらもなく、むしろ本当にやさしい人というキャラクターである。こういう人はなかなか存在しないわけである。むしろ、ボクサー時代よりも、現在のほうがはるかに収入も多いはずである。

結局は、実直で誠実な人間性を持っている人だからだと思う

元ボクサーで転落していく人は正直なところたくさんいる。犯罪を犯して逮捕されてしまう例はけっこうあるわけである。具志堅用高は本当に誠実な人なのだと思う。ボクシング内容も駆け引きがいっさいなく、とにかく最初から最後まで殴り合い、そして殴り勝つというスタイルだった。そこが魅力的だったのであるが、実際の人間像も同様で、純粋にまっすぐ突き進むタイプなのだと思う。とても魅力的な、人間としても尊敬できる人である。

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