名もなく、貧しく、美しく

生きる理由

子供の頃に見た、大好きなドラマである。なんどもリメイクされているが、私が見たのは小学五年生のころ、テレビの昼メロで見たバージョンである。夫は産まれながらの難聴で話すこともできず、妻は難聴ではあるが、片言だけは話すことができる夫婦の話である。夫は自転車の修理屋を始めるのであるが、苦難の連続で、それでも夫婦仲良く生きていくという話である。いまだに思い出すのは、夫婦喧嘩が全くないのだ。喧嘩なんかしている余裕がないといったほうがいいかもしれない。子供が生まれ、子供が小学生になると、まわりの友達からいじめられるのである。当時は差別が当たり前の時代なので、ひどいものであった。夫役は東野英心で、妻は島かおりだった。子供心に思ったのは、「この人たちはとても幸福だな」ということである。些細なことが、大きな喜びになり、苦しいことでも家族で共有化するからなんとでもなるし、生きていることそのものに、価値があることを教えてくれるようなドラマだった。

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