勧善懲悪という言葉の意味は、悪い奴をやっつけるということである。
それでは、善とは何か?悪とは何か?
江戸時代末期、徳川幕府を支持する人は幕府が善であった。
一方の薩長連合を支持する人は逆である。
当時の政府を支持ほうが善であるなら、薩長は極悪人である。
その後、薩長連合が勝ったからそっちが善になったが、
明治維新がうまくいかなければ、反政府の極悪人として扱われていたはずである。
つまり、善悪などというものは、実はこの世に存在しないのである。
善も悪もないのだ。
解釈が存在するだけである。
コロナウイルスは悪なのか?
普通に考えればそうかもしれない。でもこの病気のおかげで、世界は大きく
変化しようとしている。
もしかしたら、結果として金融至上資本主義が終わるかもしれない。
まったく新しい世界ができるかもしれない。
既存の世界を支持する人からみると、たまったものではない。
でも、このおかげで在宅勤務が進んだり、多くの改革が起きて、社会はいい方向に進んでいくのである。
在宅勤務の推進だけでも大きな意味がある。
首都圏にオフィスをつくる必要がなくなるからだ。
一気に都市集中化が緩和され、地方分権化が進むだろう。
これは間違いなく、いいことだと思う。
こういう大事件が起きないと、物事は動かないものである。
善悪で考えないほうがいいのだ。
好きとか嫌いとかの感情で考えたほうがうまくいくと思う。
元ヤンキーを好きな人は多い。
あれは感情である。なんとなく好きなのである。
ワルと呼ばれた人が、立ち直るというか、更生をするというか、
社会の中に溶け込んで、家族を持ってがんばったりしているのをみると、
なんかホッとするわけである。
「なんかよかったなあ」と思える感情は、正しいと思う。
満員電車にのって早朝に通勤するより、自宅で仕事をするほうが楽しいと思う。
善悪で考えるのではなく、感情を切り離し、
客観的な事実から物事を考えると、うまくいくものである。
コロナの問題は、いい面も悪い面も様々な側面があり、一概に悪いとも
言い切れないのだ。
日本が太平洋戦争で米国に負けたことはよくないことだったかもしれないが、
それがなければ現在のような繁栄もないわけである。
善悪で考えないほうがいいのだ。