下北沢、美容室「ガッツ」での最低の思い出

日常の出来事

1980年代、高校生だった私は、カットは美容室にいっていた。色気付いていたのだ。たまにはパーマをかけたりもしていた。下北沢は学校と自宅のちょうど中間に位置する場所だったので、たいていはそこにある美容室にいっていた。当時も多数の美容室が群雄割拠していたので、そのなかから店を目視で選ぶわけである。あんまり高級そうなところも嫌だし、なんか気楽に入れる店を探してはいるわけである。雑居ビルの二階に、「美容室ガッツ」と書いた店があったので、「これはなんとなく自分向けの店だなあ」と思い入ってみたら、イメージとは違い、とてもおしゃれな感じの店内だった。現在は、横文字のようなのであるが、当時はカタカナで「美容室ガッツ」だったのだ。薄暗い、汚いビルの2階で、女性が一人であがっていけるような雰囲気ではなかった。ところが、ドアを開けると店内は別世界だったのだ。「やべえ、これは来る場所を間違えた」と思ったが、引き返すこともできずに、そのまま店に入った。なんか気まずい雰囲気の中、20代くらいの男性店員が担当になってくれたのであるが、ベラベラと話かけてくる。本当に嫌な感じの奴だった。その日は平日だったので、高校の制服をきていたのだ。「君どこの高校?」と聞かれたので、答えると「あんまり聞いたことないね」と明らかにバカにされたような口ぶりでいわれた。私の高校は現在では神奈川県でも屈指の名門校になったのであるが、当時は新設校で、偏差値45くらいだったのだ。「この店には、慶応高校の生徒もよくくるんだよ」とかいわれた。なんでそんなことをいうのかと思うのであるが、そういう性格なのだろう。現在であれば、犯罪になる可能性もあるような言動である。明らかに悪意があった。「この店はね、わざと汚い雑居ビルの二階に「ガッツ」というださい名前にして目立たないようにしているんだ。混みすぎちゃうからね。ハハハ」といわれたので、まさにそのトラップにかかってしまった犠牲者が私である。カットが終わったところ、確かに腕はよかったと思う。無論、それが最初で最後で、二度とその店に行くことはなかった。令和ではほぼ絶滅したかもしれないが、当時はそういう店も店員もそれなりに存在していたのだと思う。今では、1000円カットにしかいかないが、別にそれがトラウマになったわけではない。今でも、場所を変えて、下北沢に同じ店はあるようだ。下北沢には、当時ロクでもない店がけっこうあったと思う。

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