「野望」とんでもない主人公、ハリウッド映画になりうるストーリー

日常の出来事
テレビドラマ主演の天知茂

40年以上前に、テレビでちらっと見た記憶があるのだ。タイトルが「野望」というきになる言葉だったので、やけに記憶に残っている。ストーリーは全く知らなかったのであるが、最近、アマゾンで原作の漫画を見つけて読んだのであるが、とても面白く、完全にはまってしまった。主人公の父は大企業の社長だったが、ある男の陰謀で失脚し死んでしまう。残された家族は路頭に迷い地獄のような苦しみを背負い、大人になった主人公がその相手に復讐するという話なのである。復讐を実行するために彼が殺した人間は20〜30人くらいにもなるのだ。目的のために手段を選ばぬとは、こういうことである。そのえげつなさといったら半端ではない。彼は軍資金調達のために強盗殺人を企むのであるが、ある左翼主義者を犯人にでっちあげ、自分は逃げ切るのだ。その左翼主義者は不当逮捕され、あまりの苦しさに刑務所で自殺をしてしまうのである。彼は、そういう頭脳犯的な犯罪だけでなく、拳銃などで多くの人を殺していく。殺し方は残忍で、証拠が残らないように、拳銃で撃ち殺した後、顔面に数発叩き込み、原型がのこらないようにしたりもする。また、女子高生をレイプ殺人して逃げている犯人を助け、女子高生の死体を完全に遺棄するのを手伝い恩を売り、その犯人を自分の子分にしたりもする。この話のすごいところは、とんでもない主人公なのであるが、なぜか応援したくなってしまうところなのである。彼の生い立ちと、受けてきた様々な出来事を考えると、「これは仕方がない」と感じさせてしまうのだ。これは作者の類い稀な構成力なのだと思う。現実にはありえない話なのであるからこそ、こういう架空の話で読むことに意味があるのだ。この話は、当時(1970年代)にテレビ朝日系で、ドラマになっていたのであるが、ハリウッド映画になってもおかしくないだけの内容である。すごい漫画だと思う。この漫画に出会えて、よかったと思う。

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