今から40年以上前、小学校4年生の時に、母に連れられて有楽町の劇場で、
劇団四季の「青い鳥」の芝居を見た。
人生観が変わったといってもいいくらいのインパクトを受けた。
特に印象深かったのが、未来の国にチルチルミチルが行くシーンである。
その国には、これから生まれる子供達がみんないるのだ。
チルチルミチルは、そこで来年生まれてくる弟に会う。
弟は数年後に病気で死ぬという。
「ここでいる子供達は何か必ず一つ持ってうまれてくるんだ。僕の場合は病気。
それで、僕は数年後に死ぬんだ」とケロリと話すのである。
「それまでは仲良くしてね」とかいうのである。
もっともインパクトがあったのは、未来の国で、カップルになっている
2人の子供がいるのだが、1人はもうじき生まれるので、この世界から離れなくては
いけなくなるのだ。
神様が、ふたりを引き裂こうとすると、残された女の子は叫ぶ。
「私は、生まれたら大きな犯罪を起こします。そうすれば、あなたに気づいてもらえるから、
大きな犯罪を起こす女性がいたら、それは私なのよ」
なんか、すごいリアリティがあったのだ。
いいことなのか、わるいことなのか関係なく、人間は必ず何かをやるために
生まれてくるという話は、小学4年の私にとても大きな影響を与えた。
それから数日間は、夢の中に毎日、青い鳥の話が出てくるようになった。
光の妖精が夢の中にでてくるのだ。
私には、年子の妹がいたので、チルチルミチルに同化したような
気分になってしまったのである。
素晴らしい舞台で、大人になって調べたら、演じていた俳優は超一流の
人ばかりだった。
鹿賀丈史、久野綾希子、滝田栄などである。



劇団四季は、今でもたまに、青い鳥の公演をやっているようだ。
あのすばらしい舞台を今も忘れることはできない。