物事の本質に向き合うということ

人間は誰もできれば傷つきたくないと思っている生き物である。

隠したい事実、触れられたくない事実、誰にもいいたくない事実がない人は存在しない。

程度の問題はあるが、すべての人間にそれはあるのだ。

開き直って、すべてを公言している人もいるが、それはむしろ少数だ。

できれば触れてほしくないものである。

そのために、学校をやめたり、仕事を変えたり、家族と離れたりする人は

多数いるわけである。

でもそういう時に、物事の本質と向き合わずに、曖昧にしたり、

別の言い訳をつくってしまうと、ろくなことにはならない。

ちゃんと物事の本質に向き合わないとだめだ。

上司と折り合いが悪く、会社を辞める時に、様々な理由をつくるわけである。

他人に対して説明するための理由はなんでもいいのだ。

嘘をいっても構わない。

でも、自分自身に対してだけは、本当のことをいわなければいけない。

それに向き合うのは、けっこう辛いことである。

できない人もたくさんいる。

そういう理由で自殺する人だって、たくさんいるくらいだ。

だから、誰にでもできる話ではないのだ。

普通に会社員として生活している人で、それができている人って、1%もいないのでは

ないだろうか?

だからできなくても大した話ではない。

しっかりと自分と向き合い、いいところも、よくないところも、

すべて受け入れて、自分自身と向き合うのだ。

そうすると、自分はたいした人間ではないことに気づかされる。

一方で、意外にいいところもたくさんあることに、気づかされる。

世の中に、本当にすごい人なんか、ほとんどいないことに気づかされる。

本当にすごいひとは、キリストと、ブッダと、マザーテレサくらいのものである。

あとはみんな同じようなものだ。

しっかりと自分自身に向き合い、自分の人生の目標は、おだやかに生活することだけ

だとすれば、それは素晴らしい気づきであると思う。

仕事をやめて、どこかの山奥で、生活保護をもらって一生生きていくという

結論に至ったとしても、まったく問題ないと思う。

そういう人も、けっこういるわけである。

一方で、自分は誰かの役にたちたいと思う人も多くいると思う。

それはそれで、その欲求に従った道を探せばいいだけのはなしである。

現在勤めている会社は継続したうえで、ボランティアをしながら、なんとなく休日は

友達と楽しく過ごしたいとか思うのであれば、それはそれで素晴らしい考えだと思う。

いずれにしても、自分が本質的に何をしたいかということに、しっかりと向き合う

ことに重要な意味があると思う。

そして、その自分の欲求にほんの少しでも近づいているような生き方をしているかと

いうことなのである。

ほんの少しでもいいのだ。

他人の役にたちたいと思って生きているのに、

ブラック企業で詐欺まがいの仕事をしているのだとすれば、

それは矛盾している。

やめたほうがいい。

もし、自分の本質が、金儲けをしたいということだけだとすれば、それに従うのは

悪いことではない。

でも、考えてみよう。金を稼ぐというのは、目的ではないのだ。

金とは、人間が創造で生み出した制度である。

金を稼ぎたいと思っている人は、金そのものが欲しいのではなく、金でブランド品などを

購入して、高価なものを身につけている立派な人と思われたいという承認欲求が強い

人だったりするわけである。

ごく稀に、本当にものとしての金に興味を持っている人も存在するが、かなり

マニアックな特殊な人である。

手塚治虫のブラックジャックに出てくる鍛冶屋は、ブラックジャックから報酬の1000万円を

もらい、それを燃やして喜んでいたが、かなり特殊な人である。

自分が本質的に何をしたいのかについて、しっかりと向き合うことができれば、

その時点で幸福な人生は約束されたのと同じである。

配偶者や子供を幸福にしたいと多くの人はいうが、たいていの場合、

それは物事の本質から逃げているのである。

本当に自分がやりたいことは何なのか?

現代社会は、多くの人に、それを考えさせないようにできているといってもいい。

ゆえに、そう簡単にはわからないようになっているのだ。

私自身のことを話すと、私は世の中が今よりもよくなって欲しいと思っている。

そのために、自分が何をできるかを常に考えている。

ゆえに、世の中をよくすることに矛盾することは、基本的にやらない。

もちろん、私は聖人君子であるわけもなく、むしろエゴの強い、

人間である。でも、大きな視点で、その行動が世の中をよくするのかどうかという

視点で生きている。

選択肢があれば、どっちのほうが世の中をよくするかという観点で選ぶようにしているので、

悩むことはあまりないのだ。

結果として、友人は減るが、ストレスも減るので、トータルではプラスである。

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