けっこうな豪雨の中、川添いの道を歩いていたら、5歳くらいの女の子が
水たまりにつかって遊んでいた。
お父さんが「はやくおいでよ」といっても、
「やだ、ここにいる」といって、長くつを半分くらいつかって、
バシャバシャ遊んでいるのだ。
お父さんは、それを強制して連れていこうとはせずに、なんとなく眺めていた。
私は、「このこは幸福だなあ」と思った。
遊びたいことを、ある程度自由にさせてもらっていて、それを楽しんでいる。
「やだ」といえるのは、信頼関係があるからである。
人間の幸福とは、今やれる範囲の中でやりたいことを十分にやれることである。
むしろ多少制約条件があるくらいで丁度いいのだ。
その範囲内で、ある程度自由にやれるのであれば、それはかなり幸福なのである。
多くの人は、そういうチャンスがあっても、やろうともしないし、
やれるとも思っていない。
日本国民の80%くらいが、あの女のこと同じくらいに、自由になることが
できれば、けっこう幸福になるだろうと思う。