大相撲の人気力士阿炎が、規約を破って、本場所中に夜、外食をしたという理由で、
休場になってしまった。これは阿炎が所属する錣山親方(元寺尾)の優しさである。
ゴマかそうと思えば、ゴマかせた話だったかもしれないが、
万が一、阿炎がコロナで陽性になりでもすれば、大問題である。
本当に強制引退もありうる事態になるわけである。
相撲協会は、他のどのスポーツ団体よりも、ピリピリしているのは、
政府から直轄で管理されている団体だからである。
いろいろと問題の多い弟子である阿炎に対して、師匠が下した一見厳しい判断は、
やさしさである。
「これで目を覚ませ」といっているのだ。
相撲協会は未曾有の危機におり、昨年も元十両の貴ノ富士が弟弟子への暴力問題で、
強制引退させられたのは記憶に新しい。
人気力士の阿炎とて、例外にはならないのだ。
今場所残り全休しても、おそらく幕内には残れるので、来場所からがんばればなんとか
なるわけである。
相撲取りと、親方の関係というのは新弟子の時は絶対服従であったものが、
出世すればするほど、疎遠になっていくものである。
元朝青龍に対して、親方だった元朝潮の高砂は何もできなかったではないか?
腕力でも上なわけで、いっても聞かなくなるのが普通なのである。
錣山親方は、最悪のケース(強制引退)も想定し、結婚したばかりの
阿炎への戒めにしたのである。
「親の心子知らず」なのかもしれないが、これは間違いなく愛情であり、
誰よりも、阿炎は感謝しなければいけないと思う。