1980年代にヒットしたテレビドラマで「噂の刑事トミーとマツ」という作品があった。
二人の刑事の物語なのであるが、事件現場で気の弱いトミーが怖気付いていると、
先輩のマツが「おとこおんなのトミコ」と怒鳴りつけると発奮して、
一瞬にして悪党を蹴散らかすという展開が、毎回繰り返されるのである。
これって、ゲイの人に対する明らかな差別である。
「おとこおんな」という言葉自体、使用不可能だろう。
当時の日本ではゲイの人の人権はほぼなく、色物として見られていた時代である。
1982年まで、北アイルランドでは同性愛が違法だったのだ。
このドラマは1980年くらいなのである。
多くの人は、現在LGBTの人に人権があるのは普通のことだと思っているが、
ほんの少し前までは、こんな状況だったことを忘れてはいけない。
特に日本人は、臭いものに蓋的な考えが強く、過去の間違いを
触れないことで、避けようとする傾向が強いと思う。
差別なんて存在していなかったかのように振る舞う人がとても多いのだ。
きちんと思い出し、反省することが大切なのだ。