いじめを救って、感謝の手紙をもらった話

高校生活

高校時代の話である。

私の高校は、神奈川の桐光学園といって、まあ今ではけっこう有名な高校である。

偏差値も高く、スポーツも強く、甲子園に出場したこともあるし、

サッカーの中村俊輔は卒業生である。

ところが、私が在籍していた30年くらい前は、偏差値も45くらいの

まあさえない高校だったのだ。

社会人になりたてのころ、

とんでもない嫌な先輩がいて、彼は桐光学園の姉妹校の桐蔭学園から

慶應大学に進学したエリートだったのだ。

そいつが私に対して

「お前はあのバカ校の桐光出身なんだってな?」と、言ったことは今でも忘れない。

本当にいやなやつだったなあ。

その後、時代は流れ、桐蔭学園の偏差値が下がっていき、現在ではむしろ

桐光学園のほうが上である。

野球は明らかに桐光学園の方が上である。

まあ、それはともかくとして、いじめの話である。

当時の桐光学園は偏差値は高いとはいえなかったが、学校内でいじめはほとんどなかったのだ。

男子校ということもあり、とてもさっぱりした校風で、少なくとも陰湿ないじめは

ほぼ存在していなかった。

高校2年の時に、クラスメイトのSがOをいじめはじめたのだ。

まさにいわれのないいじめだった。

Oは内気なタイプで、幼い感じの、おとなしいタイプの生徒だったので、

なんとなくかっこつけていたSはいじめやすかったのだと思う。

私もなんとなく気になっていたが、Oと親しいわけでもなかったので、

しばらく傍観していた。

ある時、学校の帰り道、駅まで2キロくらいある長い道のりを歩いていると、

SがOをいじめている場面に遭遇してしまった。

人通りの少ない道路で、SがOに軽く暴力をふるっていたのを見たのだ。

私は不快に思いSに声をかけた。

「おめえ、そんなくだらないことするんじゃねえよ」といったら、

Sは「うるせえな。おめえにいわれる筋合いはねえよ」といってきた。

私は、

「てめえ、そんな弱い相手をいじめるんじゃねくて、俺にかかってこいよ。

相手になってやるぞ」といったら、

Sは「かっこつけてんじゃねえよ」といって消えてしまった。

いじめられていたOは何もいわなかったが、それ以来、明らかにSのいじめはおさまったのである。

少なくとも、私の見ているところで、Sはいっさいのいじめをしなくなったのは間違いない。

1ヶ月くらいしただろうか、Oから私の自宅に手紙が届いた。

なんだと思って開けてみると、

ようやくすれば、「助けてくれてありがとう」というような内容が書かれていた。

私はOとそのあと、詳しい話をすることはなかったが、

おそらくSは何もしなかったのだろう。

OとSが今何をしているのかは何もしらない。

卒業していらい、2人に関するいっさいの情報はない。

でも少しはいいことをしたような気はする。

 

タイトルとURLをコピーしました